アロマセラピーは、植物から抽出された薬効成分のある芳香成分( エッセンシャルオイル)を用いて心と体の健康を維持する方法で、全くの自然療法です。
その方法は大きく分けて2つあります。
・香りを楽しむことで心をリラックス、リフレッシュさせる。
・皮膚を通してエッセンシャルオイルの薬効成分が浸透し体に働きかける。
自然療法はホリスティックセラピーとも呼ばれ、症状の原因となっている部分を解決する事を目的としており、ストレスレベルを下げる事によって体への負担も軽くする事が出来る方法です。
アロマセラピーにおいては心と体の両方に同時に働きかけられる事が最大の利点です。
アロマセラピーの主役は香りの源となるエッセンシャルオイル(精油)です。
これは葉・花・草・木・果実の皮等から抽出された100%ピュア(防腐剤が入っていない)なエッセンス/芳香物質で、芳香と揮発性が高く、自然の状態に比べてかなり濃縮されているため、通常1〜2%に薄めて使います。
エッセンシャルオイル(精油)は、その数約200種類ほどあるといわれ、アロマセラピーで主に使われるのは約40種類程になります。
ベースオイルとは、マッサージオイルを作るときに基材(ベース)となる、100%植物性のオイルの総称です。
肌の奥深くにエッセンシャルオイルが浸透するのを助ける事から、キャリアオイル(carrier=運ぶ/人・物)とも呼ばれ、当店では100%天然のキャリアオイルを使用いたしております。
香りは空気中で小さな分子として飛び回っています。
その分子が私達の体の中に入り込むには大きく分けて3つの流れがあります。
1つは、香りの分子が鼻の中を伝わって、鼻の付け根のあたりにある嗅上皮に伝わります。親指の爪ほどの大きさのこの粘膜で、香りの分子はインパルス(電気信号)に変換され、大脳に伝わります。大脳中心部には大脳辺縁系と呼ばれる人間の本能的な部分(食・性・感情)をコントロールしている所があります。インパルスはこの部分に強く働きかけます。大脳新皮質や視床下部、脳下垂体にもインパルスは伝わり、その結果自律神経系やホルモン系、免疫系の働きを調整し、心と体に影響を与えます。インパルスが各器官に伝わるには約数秒しかかかりません。大脳辺縁系は嗅脳と呼ばれているほど嗅覚に関係し、"快"・"不快"などの情動に関わります。
2つ目は、香りの分子は呼吸と一緒に鼻から気管へ、後に気管支・肺に入っていき、粘膜から血管壁を通って吸収されます。香りの成分は胎内の脂肪組織に一部は止まったり、肝臓などの各器官で分解され、最終的には体外に排出されます。エッセンシャルオイルには抗菌作用や殺菌作用があるので、吸入する事で喉や気管をきれいに保ち、粘膜をキレイにする事ができます。
3つ目は、香りの分子は肌に触れると、その小ささと油に馴染みやすい性質から肌の奥まで浸透し、細胞の再生リズムを整えます。皮膚には大きく分けて表皮・真皮・皮下組織の3層から成り立っています。表皮と真皮の間にあるバリアゾーンと呼ばれる保護膜は水分や紫外線をカットする働きがあり、お風呂につかっても体が水ぶくれしないのはここで浸透をストップしているからです。この保護膜を通過できる物質は少ないのですが、エッセンシャルオイルはこの層を通過して、下の組織(毛細血管)に浸透することができます。
アロマセラピーは以下のような方に効果的です。
・ストレス度の高い方。
・不眠症、あるいは長期的に眠れない方。
・体のだるさがなかなか取れない方。
・うつ的な症状になりやすい方。
・イライラしやすい方、全身をリラックスさせたい方。
・頭痛・肩こり・冷え性の方。
その他、アロマセラピーは様々な症状に高い効果が見られ、心身ともに元気付け、気持ちをリラックスさせます。
古代エジプトでは特に「香り」、フレグランスが好まれ、クレオパトラはマークアンソニーを誘惑するために薔薇の花びらを床一杯に敷き詰めたとも言われています。
イギリスでも化学薬品が無い時代に、ローズマリーやラベンダーといった殺菌効果のあるハーブ類が良く使われ、ペストなどの病原菌が流行った時には、ローズマリーを束にしてぶら下げたり持ち歩いたりして、疫病・悪臭除けなどに使われていました。
1926年には、パフューマリーを家族で経営していたフランスの科学者ガットホセ博士が、香りの実験中にひどい火傷をし、思わず近くにあったらベンダーオイルのタンクに手を入れた結果、火傷の治りが早く跡がキレイに治ったことで、香り以外にエッセンシャルオイルが秘める力が何かあるはずだと確信しました。また、第一次大戦中に兵士の傷跡の手当てにラベンダーオイルを使い、その傷の治りの早さを見てさらに研究が進み、1928年に「芳香療法(原題Aromatherapy)/アロマテラピー(アロマセラピー)」という言葉が生み出されました。